歯並び矯正装置の普及には国民性も関係する
近年においては、機能的顎矯正装置は、臨床はもちろん、大学の講義の場などでも取り上げられる頻度は減り、過去の矯正装置といった状態ですが、適応範囲における症状に対しては、現在も十分な治療効果の望める治療法なのです。
その症状のひとつに下顎後退型の上顎前突があります。この症状は日本人よりも欧米人に多く見られるものですが、この治療に有効なのがFKO用の「構成咬合器」です。日本では1940年頃に開発されていたようですが、米国などでは1960年頃に、これを「下顎後退型の上顎前突」に効果のある装置として使用する流れがあったそうです。
しかし、この「構成咬合器」は結果的に米国では浸透しなかったといいます。これには米国人の国民性が大きく影響していたようです。
米国人は、その特性として形状・図案などが法則的・規則的である様を好む傾向にあります。これは歯並び治療についても例外でなく、この点が非器械的とも言える「構成咬合器」を米国の矯正歯科医が受け入れ難かった要因のひとつと想像できるのです。
これとは逆に、その国民性として機能性を重視し、歯並びについても審美的な要求の低いドイツ人は、正常に咀嚼できるようになる事を歯並び治療に求めた為、この「構成咬合器」が普及しやすかったといいます。
審美傾向の功罪 ≫≫
