大人の歯並び矯正は時間との戦い
ミニ・インプラント矯正という新しい治療法は、これまで治療困難といわれていた症例に対しても、その効果を発揮し、大きな可能性を秘めているプラスの側面と同時に、各専門分野との協力により、クリアしていかなければならない問題も、やはりあり、その点についての詳細を前項の最後に書きました。
これまで、説明してきたように大人(成人)の歯並び矯正の現在を考えていくと、まだまだ、新しく、進化した矯正法が現れてくるような期待が高まります。
新しい矯正法では、患者さんへのデメリットを最小限に抑え、多くのメリットを患者さんに還元できるような考え方が大切です。歯科矯正医にとって、使い勝手が良く、利便性が高くても、危険性の部分で不透明な矯正法は採用する意味はないのです。
大人の歯並び矯正、その治療の進化によって最も解決して欲しい問題、それは、おそらく、多くの患者さんが感じる問題、治療期間の短縮ではないでしょうか。
多くの患者さんは、ストレス社会とも言われる現代を、日々、時間に追われながら生活しています。自身の歯並びに審美的コンプレックスを抱えながら、それでも時間的な理由から、矯正歯科を訪れることを躊躇しているサラリーマンも多くいます。育児に奮闘する、お母さんも、1日を通じまとまった時間を作る余裕はなく、歯並び矯正を断念しているかもしれません。
また、同じような意味で、実際、時間的リスクを覚悟で歯並び矯正を受ける患者さんが、納得できないような時間のかかる治療計画は将来的には改善すべきでしょう。矯正歯科医から見れば、現在の矯正技術において最善の方法でも、患者さんには、そういった事情は分かりません。「何て非効率な」と感じるかもしれないのです。
