歯並び矯正と年齢に比例する歯の健康度
歯並び矯正の技術というのは、他の領域の専門知識との融合により発展している面があり、矯正歯学に携わる専門医は自身の専門分野以外の領域にもアンテナを張っておかなければなりません。そうすることで、審美的にも複雑な患者さんの要望に応えられることも多くなるというものです。
大人の患者さんの審美的傾向の強い治療希望については、これまでに話してきましたが、では、この大人の患者さんについて歯並び矯正を施す上で、年齢的な制限はないのでしょうか。
この「年齢的」という表現は「絶対的基準」ですから、歯並び矯正には馴染みませんが、患者さんの歯や歯肉といった組織的な健康度が歯並び矯正が可能なのか、そうでないのかに大きく関わります。
また、年齢という意味では「根気」の問題もあります。大人の患者さんのメリットとして、治療に対する「情熱」や「根気」が強い、といったことは、これまでにも話してきましたが、ある程度、年齢がいった患者さんには、これが当てはまらない場合があります。ある程度、高齢の患者さんには、長く治療を行っていく内に「根気」がなくなってしまう傾向が、個人差はありますが、確かにあります。
これはあくまで、年齢を基準にした、だいたいの目安ですが、女性の場合は65歳くらいを治療可能年齢の上限と見ることが多いようです。これは、女性の閉経に関係していて、これを過ぎると、移動する歯の歯根膜の牽引側に、若い人のような骨の新生が期待できなくなり、それが、かなり遅れることが考えられるのです。
