歯並び矯正と早まる「親知らず」
歯並び矯正の治療方針の見極めポイントとして重要な乳歯から永久歯への生え変わりは、「相対成長論」の観点から身長の低い子供ほど遅れる傾向にあるが、身長は時期に伸びるもの。歯の生え変わりも同じように遅れはしても心配する必要はないです、といった話しを前回はしました。
身長と歯の生え変わりについての関係を如実に物語っているのが、最近の中学生の「親知らず」の形成についてです
「親知らず」とは俗称で正式には「第3大臼歯」といいますが、最近の中学生の歯並びなどのX線写真を見てみると、すでに「第3大臼歯」の形成の始まりともいえる石灰化を確認することができるケースが増えてきています。
戦後の中学生と現在の中学生の平均身長はまったく違いますから、「石灰化」が見られるのも当然かもしれません。すでに、中学生の時点で成人の平均身長を越えていることも少なくありませんから。
この場合、「中学生の”石灰化”が早くなった」と考えがちですが、これまで説明してきた「相対成長論」を理解している人には、そうでない事が分かると思います。
つまり、「石灰化が早い」のではなく、「身長が伸びるのが早い」ために「石灰化」は、「その時期を早めざるを得ない状況」にあるというのが正しい説明といえます。
第3大臼歯、延いては歯そのものは「年齢」という「絶対的成長速度」をまったく気にしてはいないということが、この事柄からよく分かってもらえるのではないでしょうか。
